2012年2月12日日曜日

平家山に登山

今日はスキーの予定でしたが,家族療養のため延期となりました。
 そこで前から気になっていた平家山の登山に挑戦です。
 平家と言えば今話題の平清盛ですが,実家の近くにも平(たいら)さんがいます。龍泉寺には江戸時代に小泉城主に仕えた平氏の記録もあるそうです。


 登山道がわからないので,比較的緩やかな地形の砂防ダムから登り始めました。5つ目のダムを越えると沢登りとなりましたが無事に尾根に到着,ここも高圧線の管理道となっていました。
 東には白滝山から北に伸びる岩尾根が真正面に見えます。ここで少し休憩します。それにしてもシャシャンボにおいしいベリーが全く付いていません。最近の厳しい気候のせいでしょうか。

 尾根を登り始めると左側から水の音が聞こえます。50mの滝が流れていました。平家の滝。勝手に命名します。それにしても急峻な岩山で1週間雨が降っていないのに水が枯れないのも不思議です。まるで南米ベネズエラ,テーブルマウンテンから流れ出すエンジェルフォールのようです。

 更に登ると,標高200m左の絶壁の岩場にスダジイの大木を発見しました。直径60cmです。それも1本だけ。アラカシの低木はあっても,ほかにスダジイは全く見かけません。不思議です。近くでスダジイがあるのは宗長神社などの鎮守の森くらいです。遠い昔,このあたりはスダジイなどの照葉樹林に覆われていたのかも知れません。絶壁であるが故に伐採を逃れ,今日まで生き延びて来た。潜在自然植生の貴重な証拠でもあります。すばらしい宝です。

 更に尾根を直登します。標高380m。なだらかな尾根の南端に平家山山頂はありました。
 平家の滝の豊かな水は,この岩山にあって,山頂付近のなだらかな地形と自然の植物が蓄えているのでしょう。
 そしてここには人が住める。水があり,畑もできる土があり,家を建てられる土地がある。瀬戸内海を行き交う舟を監視でき,400m近い標高は敵の侵入を防ぐことができる。近くの黒滝山同様,ここにも見張り小屋があったはずです。とすれば,逃げ延びた平家の子孫がここで何世代か静かに暮らし,その後,村人と交流が始まり,平家山と呼ばれるようになったのではないか。考えれば考えるほどワクワクしてきます。
 1000年の時を経て,眼下には瀬戸内海が広がっています。周りはウバメガシの群落が優勢でした。

 下山は,途中まで引き返し,急峻な東斜面をロープを伝いながら降りて行きました。
 今回も発見の多い楽しい旅でした。ちょっと妄想が過ぎたかも知れませんが,今後は地元のお年寄りにもお話を聞いてみたいと思います。宮本常一のように。

11 件のコメント:

  1. 吉川 和博2012年5月11日 19:44

    平家山、烏帽子形山について
    私はこの山が気に入り暇があれば、登って整備しています。私
    が初めてこの両山に登った時には、頂上付近はほとんど、展望は臨めませんでした。両山の縦走路は今年の初めは全く、通れませんでしたので、3月にほぼ通れるようにしました。貴殿は
    たぶん、小泉の甲原から入山されたと思います。川を登る道は
    滑りやすいので、直接縦走路の途中に出る道を整備しました。
    私が整備した他の道は烏帽子形山から福田へ下る正面登山道で
    大変展望の良い尾根道になっています。正面登山道、縦走路、
    平家山から中電道を下って福田まで一周するコースを作りたくて縦走路を整備しました。もし、希望されれば、私が作ったこの山域の地図を差し上げます。

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    1. コメントありがとうございます。返信が遅れまして申し訳ありません。この険しい平家山をこつこつと整備して頂いたおかげで,私も楽に登ることができたのですね。ありがとうございます。これからも多くの人に登って頂き,皆さんに元気になって欲しいですね。登山地図希望につき,お手数ですが連絡先をお願い致します。

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  2. 最近、平家山、烏帽子形山の縦走路ばかり登っていたのですが、貴殿のスダジイの
    大木のことを思いだし、沢登りの道を通って、見に行きました。スダジイは図鑑などで見てもよく解りませんでした。中電管理道に出て、しばらく登ったところで、
    見つけました。貴殿が雑木を整理されていたのでしょう。すぐに、わかりました。

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  3. コメントありがとうございます。平家のスダジイは今年の夏の少雨を乗り越えて健在でしたか。もし他でもスダジイを発見されましたら教えて下さいね。蜂や毛虫の心配がなくなりハイキングシーズン到来ですが,私はといえば勤務異動で寝不足続き,なかなか山に行けなくなってしまいました。道案内の看板や樹木の説明標識も設置したいのですが,いつになることやら。

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  4. 県道59号観音の滝から、東平家山への登山道を整備しました。今まで、東平家山へはどこから登っても1時間10分以上かかっていたのが、50分位で登れます。
    また、観音の滝の上部の数本の尾根には、山桃の大樹が多く有ります。まだ、寸法は測っていませんが、胴回り3m位のものも有るようです。

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    1. 観音の滝とは忠海線旧道の西側にある滝でしょうか。山桃の大樹は正に潜在自然植生の生き残りと言えそうです。貴重な発見ですね。これからも何百年と生き延びて欲しいと思います。

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  5. 観音の滝は私も最近知りました。忠海から、本郷方面に少し行った峠の手前から、少し
    入ったところです。山桃の木は多く有るのですが、3m級のものは3本、2m級は7本
    位見つけました。密林が多く通行不能のところが多いので、まだ、たくさん有るかも知れません。

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  6. 平家の滝の展望所276mピークへは、関屋から中電道を登っていたのですが、道が悪く、歩きにくかったので、忠海方面へ約200m行った所から、別の道を整備しました。この道は直接、276mピークに登れます。また、今の展望所は滝全体の6割位しか見えませんでしたが、今度の道の240m地点に整備した展望所からは、9割位は見渡せます。岩の上から見渡せますので、大パノラマ展望所になっています。

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  7. 私も1年前,20年前(?)の砂防ダム道路からアプローチを試みましたが途中で諦めていました。それにしてもかなり急峻な地形です。新たな登山路を開拓された吉川さんの情熱に敬意を評し「平家の滝:吉川ルート」と名付けましょう。看板がいりますね。

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  8. 最近、平家の滝の展望所276mピークの南の250mの鞍部から、関屋に下る道を
    整備しました。平家の滝が更にまじかに、展望できる道です。

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  9. 今頃は平家山もミツバツツジが満開でしょう。是非,登ってみたいですね。

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